A Room of My Own

河口湖に私のライフスタイルにあった私の家(A Room of My Own)がやっと完成しました。通称"G.E."と呼んでいます。そこはまさに"Great Escape"な場所だからです。
設計は、私の好みを一番よく理解してもらえる、子供の時からの友人の納賀久美子さんの夫、雄嗣氏に依頼しました。限られた予算で理想のスペースを作るために、一生懸命頭を使ったつもりです。

シアトルに、建材や家具、キッチンのシンクから始まって、タイル、ペンキ、ドア、ドアノブ、バス、トイレに至るまで自ら買い付けに出向き、40フィートのコンテナーに乗せて持ってきて、やっと愛情のこもった家が出来ました。
あくまでも自然体の自分でいられる、気持ちのよい空間を作ることが目的でした。石鹸一つに至るまですべて自分の好きなものを選んでいるつもりです。ここで身体も心も健康に、そして素敵な明日があるようにほっとリラックスしたり、作業したり、また勉強をする場にしたいものです。誰にも頼らず自分で自分の家を作ることが私のよい体験となりましたが、それだけに友人たちや家族の暖かい精神的なバックアップやアドバイスが、どんなに心に嬉しく感じたことでしょう。あくまでも自分だけの空間を中心に作った家ですが、家族や友人がここに来て、ここで何を感じるかにも大変興味があります。そしてそれが私自身の成長にもつながります。

このカラーチャートの中から選んだ外装の色はレンガ色に近い赤と白でした。

娘の一言

母が急に「河口湖の家を建て直すわ」と言いだす前、出張先のNYのバーニーズで“ Room of Her Own - Women's Personal Space - "という小さな本を発見。
様々な職業や立場で活躍する女性たちの「自分だけの大切な空間」を特集した、それは美しい暖かな本でした。これはママが喜ぶわ、と思ったら、案の定子供のように毎晩枕もとにおいて眠っていました。
ママのすごいところは、ただ何かに受身に感動するだけではなく、自分でも実際に体験しようとするところ。程なく、「河口湖の家を建て直すわ」となりました。
とっても小さいとはいえ、男の人にとっても家を建てるなんて一生に何回もない大仕事。ただでさえ、仕事に、家庭の切り盛りに大忙しの毎日なのに、大丈夫かしら…と、横目で心配しながら見守って(?)きましたが、あまりのストレスで泣いたりしながらも作り上げた家は本当に気持ちがいい家になりました。
久々に先週末、ガーデニングをしにいっしょにいってきました。朝、洪水のように降り注ぐ野鳥の声で目をさますと、もう本当に、昨日までしていたこと、月曜日からしなくてはいけないことなど、すべてから解放され、感覚が変わってしまいます。まさに"G.E."のひと時を堪能してきました。ここで感じたこと、発見したこと、起こった出来事など追ってお伝えしていきたいと思いますのでお楽しみに。

撮影・鍋島徳恭/ハウススタイリング2001春夏号